小4児童虐待死事件

事件の概要

事件発生

事件発生日:2019年1月24日(木)

千葉県野田市で、断続的に父親から冷水シャワーを浴びせられたり、首周辺を鷲掴みにされたり髪を引っ張ったりなどの虐待を受けていた小学4年生の女児、栗原心愛(くりはらみあ)さん(10)が自宅で死亡した。自宅で死亡が確認された心愛さんには複数のあざがあった。また、司法解剖の結果、心愛さんの肺には水が溜まっていたことがのちに明らかとなった(死因は不明)。

千葉県警は傷害の疑いで父親である千葉県野田市山崎の会社員栗原勇一郎(41)を逮捕した。その後母親のなぎさ容疑者も暴行を抑止しなかったことから、共謀に当たると判断され逮捕された。

なぎさ容疑者は逮捕後に、「朝から夜までほとんど寝かせなかった。2日前から繰り返した」などと供述している。栗原容疑者は会社を早退した1月21日の翌日である22日以降、心愛さんが亡くなる24日までほぼ一日中心愛さんに虐待を行っていたことになる。


栗原勇一郎容疑者(41)
参照:テレ朝ニュース


栗原心愛さん(10)
参照:ANN NEWS

心愛さんのあざは腹部に集中しており、父親の勇一郎容疑者が発覚を恐れ心愛さんの腹部に暴力を集中した可能性が浮上している。また、暴力は13時間にわたり継続したとみられている。

勇一郎容疑者か母親のなぎさ容疑者は虐待の様子をスマートフォンのカメラで撮影していたとみられ、心愛さんが泣いている姿が映った動画が発見された。動画は1月ごろ、自宅で撮影したものとみられている。

事件が起こるまで

2017年9月
家族で沖縄県糸満市から野田市へと引っ越し。


2017年11月6日(月)
心愛さんはこの日、通っていた野田市立山崎小学校でのいじめに関するアンケートで「いじめを受けているか」の質問に「はい」と回答し、「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたり、たたかれたりしています。先生、どうにかできませんか。」と自由記入欄に記載していた。

このアンケートには、「ひみつをまもりますので、しょうじきにこたえてください」、「なまえをかきたくないばあいは、かかなくてもかまいません」と書かれていた。

しかし野田市教育委員会は、2018年1月に勇一郎容疑者の強い要求に屈してこのアンケートのコピーを手渡していた。


2017年11月7日(火)~12月27日(水)
千葉県柏児童相談所はアンケートを受け、また、右頬にあざがあることを確認して虐待の可能性が高いと判断し、心愛さんを一時保護した。しかし12月27日には近くに住む親族の元で生活することなどを条件に一時保護を解除した。


2018年1月12日(金)
父親の勇一郎容疑者と母親のなぎさ容疑者は野田市教育委員会と学校との三者間で面談し、「家族を引き離された者の気持ちが分からないのか」、「(児相での)保護が解除されたのは暴力がないという証しだろう」、「訴訟を起こす」などと強く抗議(恫喝)していた。またこの場でアンケートの閲覧とコピーを要求したが、教育委員会側は個人情報で心愛さんの同意がないことを理由にいったん拒否していた。


2018年1月15日(月)
勇一郎容疑者が心愛さんが書いたとされる同意書を市役所に持参し、同席した母のなぎさ容疑者もこれを「間違いない」と認めたため、心愛さんに確認することなく野田市教育委員会の担当課長らはアンケートのコピーを勇一郎容疑者側に手渡した。

転校前の学校が容疑者と親族宛てに校長名で、情報開示や信頼される学校運営を誓う念書を提出したことも明らかになった。これは容疑者が12日の面会時に示した文案通りであった。


2018年1月18日(木)
心愛さんが死亡した当時に通っていた野田市立二ツ塚小学校に転校。


2018年2月28日(水)
勇一郎容疑者が千葉県柏児童相談所に対し、心愛さんに「お父さんに叩かれたのは嘘です」などと書かせた文書を見せ、心愛さんを連れて帰りたいと要求。この際も心愛さん本人に確認を取ることなく親族宅から両親宅へ戻ることを認める決定を下した。

この3週間後に児相が心愛さんと面談を行った際、心愛さんは父親が母親に送ったメールを「見ながら書き写した」と打ち明けている。しかし、児相は電話にて勇一郎容疑者に心愛さんと面談した事実を伝えたのみだった。これが最後の接触であった。

2018年3月
心愛さんが親族宅を経由して自宅に戻る。


2018年6月・11月
6月と11月に転校先小学校でいじめに関するアンケートが再度行われたが、心愛さんは「いじめを受けているか」との項目に2回とも「いいえ」と回答している。


2019年1月24日(木)
事件発生

児童虐待
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